お金のことを調べてどんよりする独楽です。
とはいえ、何かしらの記事を作るのは好きです。
9月のFPの試験はそろそろですね。私は令和4年の1月に受ける予定です。
FP2級の過去問でほぼ絶対出題すると言われるのが、キャッシュフロー表、六つの係数、個人バランスシートです・・・というのを以前の記事で書きました。
いずれもどんな参考書やwebサイトにも書かれているはずのことなので真新しい話ではないと思いますが、これは自分の勉強用に噛み砕いてまとめたノートのようなものなので、皆様と共有できたらと思います。
今回は六つの係数(終価係数、現価係数、資本回収係数、年金現価係数、年金終価係数、減債基金係数)を解説していきます。
六つの係数とは?
汝、いにしえより伝わる六つの係数を集めよ。
さすれば希望の扉は開かれよう。
天をあおぐ複音(ふくいん)、終価係数
地を見つめなおす神の目、現価係数
論ずるがやすし、資本回収係数
積み上がる石段の如し、年金現価係数
辿り着く島を見据えよ、年金終価係数
寄せて返す波よ、減債基金係数
全てを手にし時、いざ、汝に力を与えん。
・・・という魔法を暗唱すればなんとかなるのではないでしょうかね?
なりませんかね。それっぽく呪文を考えてみたのですが。
私もこれでは覚えられない気がするのでたぶんむりですね。
六つの係数とは、
- 終価係数
- 現価係数
- 資本回収係数
- 年金現価係数
- 年金終価係数
- 減債基金係数
のことを示します。これらは資産運用のシュミレーションやローンの計画をする時に使うものです。
相対関係があるので、グループで覚えるとわかりやすくなるかもしれません。
ゲームでいえば、属性の相性みたいな感じです。
元本と利子
ちょっと話が逸れますが、説明に必要な用語を整理しようと思います。
貸し借りする時の元の金額のことを元金と言いますが、その元金を元にして利子は増えていきます。
また、元金+利子のことを元利合計と言います。
ちなみに利子と利息は、国語辞典の上では同じ意味です
利子:貸し金・預け主が貸したり預けたりしている元金に対し、相手から受け取る一定の歩合によるかね。利息。
引用元:新選国語第八板辞典(小学館)
銀行は利子を使っているところと利息を使っているところがあり、
法律文では利子も利息も使われます。
また、日常的な感覚では、利子は借りた側・利息は貸した側が使う傾向があります。
・・・ニホンゴ、ヤヤコシイ
単利運用と複利運用
国民生活センターに資産運用に関するコラムがあったので、ここの解説を参考にしてまとめました。
→国民生活センター 資産運用のために知っておきたい基礎知識 バックナンバー
「単利」は預入期間中の元本についてのみ利息がつくということ。「複利」は、預入期間の途中で、それまでについた利息を元本に加え、その合算額を新たな元金として利息を計算していく方法です。
引用元:国民生活センター 金利と利息の関係を理解する
つまり、利子が一年ごとにつくとしたら、
単利は、
1年目
元本→利子
2年目
元本→利子
3年目
元本→利子
・・・となっていくこと。
複利は、
1年目
元本→利子
2年目
前年の元利合計→利子
3年目
前年の元利合計→利子
・・・となっていくことでしょうか。
損得は利回りを算出して確認する必要がありますが、
条件が揃えば複利の方がお得のようです。
利回りは元本に対してどのくらい利子が増えたかを示す割合ですが、ここでは割愛します。
さて、必要な用語を整理したところで解説に入っていきましょう。
六つの係数・各論
終価係数とは
天をあおぐ複音(ふくいん)、終価係数
これは元金を複利運用して、そのうちいくらになるかを示す係数です。
ゴールを見上げるので、天をあおぐ。
【計算式】目的の額=元金×終価係数
現価係数とは
地を見つめなおす神の目、現価係数
これは目標の金額に達するまでに、元金がどのくらい必要かを示す係数です。
目標から元金を見下ろすので、地を見つめなおす。
【計算式】元金=目標額×終価係数
資本回収係数とは
論ずるがやすし、資本回収係数
これはある金額を少しずつ取り崩していくことで、毎年どのくらいの金額になるかを示す係数です。
ローンの返済額や年金の受取額の計算に使われます。ローンだから論ずる。ダジャレです。
【計算式】毎年ごとの金額=ある金額×資本回収係数
年金現価係数とは
積み上がる石段の如し、年金現価係数
これは毎年一定の金額を受け取りたい時に、どのくらいの資金が必要かを示す係数です。
石段をつくるために、どのくらいの大きさの、どんなブロックを使うべきかを導き出すことです。
たぶんそんな感じ。
【計算式】必要な金額=毎年ごとの金額×年金現価係数
年金終価係数とは
辿り着く島を見据えよ、年金終価係数
ある期間に、一定の利率で一定の金額を福利運用したらいくらになるのかを示す係数です。
海に出た時、どのくらいのスピードで船を漕ぎ続けたら目的の島は見えるのか、というイメージ。
【計算式】元利合計=毎年積み立てる金額×年金終価係数
減債基金係数とは
寄せて返す波よ、減債基金係数
ある期間に、一定の利率で一定の金額を複利運用するなら、目標金額までいくらずつ積み立てればいいのかを示す係数です。
島から海を見た時、どのくらいのスピードで船がやってくるのか、というイメージですね。
【計算式】毎年積み立てる金額=目標金額× 減債基金係数
六つの係数、三つの相対関係
上で示した古の言い伝え(妄言)と計算式を見ると、それぞれ相対関係があるのがお分かりでしょうか?
天と地→終価係数と現価係数
元金から未来の金額を求めるのが終価係数。
未来の金額から元金を求めるのが現価係数。
終わりを見すえるのと現在を見すえるという対比で、比較的わかりやすいかなと思います。
資産の複利運用で利子をもらうことが前提となります。
思想と行動→資本回収係数と年金現価係数
論ずるのは思想。石段を積むのは行動。
そういう対比です。
強引すぎるゴロだろとか、
諸々の想いは胸にしまいなさい。
いいね?
あるまとまった金額から毎年切り崩せる金額を調べるのが資本回収係数。
毎年切り崩したい金額がある時に、どのくらいのまとまった金があるべきか調べるのが年金現価係数。
どちらも、大きな金額から毎年ごとに分割することを前提としています。
だからローンや年金の計算に使われるのですね。
思想(しそう)から資本回収係数を連想できればいいなあと思いますが、いかがでしょう?
海と陸→ 年金終価係数と減債基金係数
海から島を見据えるのと、島から海を見据えるという対比があります。
島(目標)に到達するためには、海を渡らなくてはいけません。
決まった金額を積み立てたらいくら溜まるのかを知るのが年金終価係数。
目標金額までいくらずつ積み立てればいいのかを知るのが減債基金係数。
資産を複利運用することが前提となります。
ある一定のスピードで船を漕いだらどのくらいの距離までいけるのか。
島まで船がたどりつくには、船がどのくらいのスピードでやってくるのか。
まるで算数みたいですね。
距速時!
・・・とりあえず、
「終」とつけば未来を求める。
「現」とつけば今を求める。
という覚え方をしてもいいかもしれません。
総括:6つの係数、ちゃんと分ければ、怖くない!
FP2級の試験には計算問題が出てくるので、6つの係数のそれぞれの使い方をきちんと知っておかないといけません。
絶対に出題されるところを疎かにして、
点を落としたらもったいないですよね。
実際のテストでは係数が表になって出てきますので、係数の数字そのものを暗記する必要はありません。
- どういう時にどの係数を使うか
- 何に係数をかけるのか
この2点を押さえておけばいいと思います。
実際、すべての公式が掛け算しかしていないですね。
六つの係数を作った人が天才なので、
私たちは天才の力を拝借してテストに挑むのです。
誰が作ったかは知らないけど。
なお、この記事はFP2級を取るために勉強している人がまとめたものなので、解釈が合っているかどうかは保証できません。何卒ご了承ください。
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